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ベトナムで経済発展に伴ってさまざまな業種が大きく発展している。なかでも、筆頭格は広告業だ。毎年、20~30%の高い成長率を維持しており、ベトナム 広告協会によると2009年の売上高は10億ドル(約810億円)を突破し、20年までには3倍の30億ドルの市場規模になると予想される。

南部大都市のホーチミン市内でも大型看板による企業広告を至る所で目にする。また最近は、タクシー車内やエレベーター室内に広告用の液晶ディスプレー(LCD)が設置されるようになり、人の出入りが頻繁な場所ならば、どこもかしこも広告媒体と化しつつある。

広告ニーズが高まっている背景には、ベトナムの消費市場としての魅力が高まっていることが大きい。人口構成が若くて成長途上にある市場を取り込もうと、外資系企業が次から次へと参入しては、派手な宣伝広告活動を繰り広げる構図だ。

広告業界の競争が激しくなるなか、斬新なアイデアで勝負に挑むベンチャー企業も増えている。ホーチミン市のカーテル・ベトナムもその一社だ。同社は、 2009年の設立から2年弱という短期間で急速な成長を遂げた。現在は、首都ハノイとホーチミンの2カ所に事務所を構え、従業員数は80人を超える。この 目覚ましい成長を支えるのは、創業メンバーが国外留学経験を生かして構築した新しい広告のビジネスモデルだ。

同社が展開する広告事業は、オフライン広告とオンライン広告の2種類に大別される。

まずオフライン広告は、ベトナムで近年急速に増えているスーパーマーケットやコンビニエンスストアを舞台に展開している。具体的には、レジで客が受け取 るレシートの裏面を利用した広告、スーパーで利用される買い物かごやカートを利用した広告、スーパーの店舗内に設置したLCD広告などがある。

同社の最高執行責任者(COO)であるトン氏によると、ベトナムで初めてスーパーが登場したのは1996年だ。現在は国内で200店以上に増加し、今後 も店舗数が急速に増えていくと予想される。ベトナムの消費者も、値段が明確で品数が豊富にあって品質が安定し、室内は空調が行き届いて快適で衛生環境もい いといった理由から、買い物先を従来の市場からスーパーやコンビニに乗り換えるケースが増えている。多くの消費者が集まるスーパーやコンビニは広告媒体と して非常に有望と考えた同社は、オフライン広告を積極的に仕掛けて成功した。

一方のオンライン広告で注目を集めているのは、アメリカのグルーポンの共同購入システムを取り入れたサービスだ。これは、インターネットで商品を購入する際に同じ商品を購入する人が増えれば増えるほど割引される仕組みになっている。

グルーポンの成功に刺激されたベトナム人企業家により、09年ごろから次々と同様のサイトが開設され、最近は一般消費者の認知度も高まって売り上げが急速に伸びてきた。

カーテル・ベトナムでも09年に共同購入サイト「ルー・ニャウ」を立ち上げ、広告活動を展開している。

サイトの設立当初はアクセスがほとんどなかったが、10年12月ごろから急激に利用者が増え、11年5月時点での月間アクセス数は300万を超える。

特に南部の消費者に割引システムのお得感が受けているようで、レストラン、旅行、化粧品などさまざまな商品が飛ぶように売れていく。同社では、この市場が毎年2倍以上のペースで成長していくとみており、さらなる事業の拡大に向けてサイトの充実を図っている。

ベトナムは若者が多く消費意欲が旺盛であることから、今後も多様な分野で広告需要が高まることは間違いない。また、ベンチャー企業がアイデア次第で大きな成功を収めることが可能な産業でもある。(ベトナム進出コンサルティング会社ライビエン 桜場伸介)