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膨らむベトナム化粧品市場 所得水準向上、購入費に月収の10%

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経済が変われば暮らしも変わる。ここ10年間の経済成長率が平均7.2%と大きく伸びているベトナムでは、食事や娯楽、ファッションなど生活の隅々まで変化している。なかでも、目を見張る変わりようなのが、女性の化粧だ。

10年前であれば、普段からていねいに化粧をしている女性は極めて少なかった。大半が化粧っ気のないスッピンで外出し、結婚式やパーティーなどの時にの み、化粧をしていくのが普通だ。年に数えるほどしか化粧をしないものだから、いざとなると慣れないうえに気合が入りすぎて、びっくりするほどの厚化粧にな る。化粧前と化粧後ではまるで別人になり、妻の変わり果てた顔を見て夫がのけぞっていたものだ。

◆広がるメーク情報

それが今では、ずいぶんと洗練され、化粧映えがするようになった。それもこれも、化粧が一般化したからだ。ベトナム人女性はもともとおしゃれ好きで、ふ ところが温かくなれば、化粧品の積極的購入に走るのは自然の流れだろう。ベトナム人女性は、男性よりも働き者が多いという定説があり、仕事を持つ人が多 い。自分でせっせと稼いだお金を、化粧や美容に注ぎ込むわけだ。最近のOLなどは、月収の10%程度を化粧品の購入に充てているという。

当然ながら、働く女性たちの財布を当て込んで、化粧品販売や美容関係のビジネスがぐんぐん伸びている。化粧品店をはじめ美容院、エステティックサロン、 美容整形クリニックなどが繁華街に軒を連ね、野菜や肉・魚を売る市場の中にも爪を装飾するネイルサロンが店を出して多くの女性でにぎわう。

ホーチミン市内の目抜き通りを歩けば、仏シャネル、仏ランコム、米ダーマロジカ、米エスティローダー、日本の資生堂、韓国のデボンなど外国ブランド化粧 品の広告看板がやたらと目につく。これらのブランドは、ベトナムの一般女性にとって“高根の花”だったが、高度経済成長の恩恵で手が届くようになった。

化粧コンサルタントのホアさんは、ベトナムの化粧品市場についてこう解説する。「国民の所得水準が上がったことに加えて、テレビやインターネットの普及 により、メーク(化粧術)などの情報が広がっていることが市場拡大を後押ししている」。また、雑誌でもメークの特集が盛んに組まれ、メーク教室があちこち で開かれていることも追い風だ。

◆韓国勢が伸長

ベトナムの化粧品は高級品と庶民価格の普及品に大きく分かれる。米仏の有名ブランドは富裕層、資生堂と韓国のデボンは中流層が主要顧客となっている。販売店も住み分けがある。外国ブランドの高級品は専門店や百貨店、普及品は市場の店といった具合だ。

外国ブランドの中で勢いがあるのは、韓国のデボン。広告宣伝が巧みで、映画やテレビドラマを上手に活用し、知名度を高めて顧客を増やしている。一方の資 生堂は価格が韓国製品より2割ほど高く、やや高級品としてのイメージが定着し、品質と安全性への信頼が厚く、根強い人気がある。

色白が美人の条件とされるベトナムでは、女性が日中に外出するときには日焼けしないように布をまとったりして肌の露出を防ぐ“完全武装”となる。それほど肌の白さに敏感だから、美白クリームなどの基礎化粧品もよく売れる。

半面、ファンデーション、口紅、アイシャドー、ツケマツゲ、マスカラなどは、あまり普及していない。

ホアさんによると、凝ったメークに欠かせない口紅やアイシャドーなどが、ベトナム人女性に浸透するのは時間の問題という。ベトナムの化粧品市場はますます発展が見込まれる。(