京セラ、携帯・三洋ブランド廃止へ ベトナムに部品など工場建設

京セラの久芳徹夫社長は27日、大阪市内で開いた平成23年3月期決算の発表会見で、携帯電話のブランドについて「基本的に京セラでやっていく」と述べ、「KYOCERA」に統一する方針を明らかにした。

同社は20年4月、三洋から携帯電話事業を買収。特に米国で高付加価値の機種を「SANYO」ブランドで展開してきた。久芳社長はSANYOブランドによる新製品終了について「断言はできないが、そういう方向でいく」と話した。

また、スマートフォン(高機能携帯電話)向けなどの部品需要の増大に対応するため、初めてベトナムに大規模な工場を年内に着工することも表明。具体的な生産品目は今後詰める。早ければ来年末の生産を目指す。

同社の23年3月期連結決算は、売上高が前期比18・0%増の1兆2669億円、本業のもうけを示す営業利益が2・4倍の1559億円。携帯電話事業は21億円の営業黒字(前期は147億円の赤字)に転換した。黒字は3期ぶり。