日本で納税もベトナムで追徴……個人所得税

8月8日に行なわれた、ホーチミン市税務局と企業の対話で、日本人ビジネスマンの代理人が、個人所得税で約25億ドン(約12万5,000ドル)の追徴と罰金を科されたことに不服を訴えた。

 この日本人は2007年からベトナムに居住していたが、ベトナムでの給与所得が発生したのは2009年10月。それまでは日本の2社から給与を受け取っており、これは日本で納税している。2009年にベトナムで所得が発生したことで、居住地で納税を申告した。

 しかし市税務局から、申告漏れとして追徴14億ドン(約7万ドル)、罰金1億2,400万ドン(約6,200ドル)が科された。また延滞金とし て1日0.05%の金利が加算され、2007年~2010年3月の分で9億5,000万ドン(約4万7,500ドル)を支払わねばならない。

 この日本人は、決定を承服しかねると主張、2007~2009年はベトナムで投資し、居住していたものの、個人の所得は発生していなかったからだ。日本で発生した所得は、日本で申告、納税しており、還付も受けている。

 日本人側は、ベトナムの法律や両国の税法の関連をはっきり把握していなかったため、このような状況が生じたとし、脱税で罰金1億2,400万ドン、さらに延滞金9億5,000万ドンの支払いに同意できないとしている。

 これに対しTran Thi Le Nga市税務副局長は、個人所得税法では重要な指標として居住法に基づく納税申告があり、居住地で所得を申告しなければならないと説明、ベトナムに居住し ていれば、収入が無くても、ベトナムで税の申告をしなければならず、どこで生じた収入かは区別されない。「世界中で所得があっても、ベトナムで税申告しな ければならない」とNga氏は言う。

 そのため本来なら2007年からベトナムで居住している時点で、世界中の所得をベトナムで申告しなければならなかった。日本で納税していれば、二重課税回避協定に基づき、税が重複して徴収されることはなく、日本で納税した分は、ベトナムでの確定申告にあたり控除される。

 「ベトナムでの居住対象でありながら、日本で申告していた。そのため税務局が2007年からの申告を求め、このように罰金を科すことは規定どおりだ」とNga氏は強調した。

■還付1年なされず

 Tan Thuan輸出加工区のTanaka社からは、個人所得税の還付が遅いとの指摘がなされた。

 同社は2012年3月、2011年の個人所得税の還付を申請した。金額は4,500万ドン(約2,250ドル)。しかし税務局で作業すると、 2012年3月時点で1億2,800万ドン(約6,400ドル)の税未払いがあると指摘された。しかし実際には会社はきちんと納税しており、滞納は無かっ たため照会を求めたが、職員は、最近ソフトウェアを変更したばかりで確認できないと説明した。そのため会社は現在にいたるまで、還付を受けられていない。

 これについてNga氏は、職員の説明に驚きを見せた上で、オンライン申告では、税務局と企業のデータが一致しないことがまま発生するが、税務局 は毎月検査し、納税状況を企業に通知している。企業が照会しても一致しなければ、証明書類を提出した上で、税務局に調整を求めることができるという。

 この件については直ちに確認するとし、「きちんと納税しているのにデータに反映されていなければ、調整し、すぐに還付する」と話した。管理ソフト変更で検査ができないという話はないとしている。

(VnExpress)