空港運営に民間投資、官民協力局設立で本格化へ

交通運輸省は先日、官民協力局を設立した。この機関は、空港を含むベトナムの交通インフラへの内外の投資を呼び込むための法的枠組みを整備する。

 米空港開発会社ADC&HASの在ベトナム営業開発責任者Nguyen Vu Michael氏は、同社のベトナムの航空・空港分野への投資の意思を認める。「ベトナムの航空・空港への投資は非常に潜在力があるため、2010年に進 出している。飛行機を利用するベトナム人は増えており、航空市場は常に2桁成長だ」。

 国際航空会社はベトナム路線を強化しており、ベトナムを訪れる外国人も増えている、そのためADC&HASは資本、技術を持ち込み、ベトナムの 空港と共同事業を行いたいという。Jeff Scheferman会長もChu Lai空港(Quang Nam省)の視察に訪れており、今後の投資に向け交通運輸省の担当者と面会している。

 ただアジアで空港への民間投資はまだ一般的ではない。この地域ではシェムリアップ国際空港でフランスの民間資本が入っている程度で、ほかにインド、韓国、インドネシアで空港運営への民間投資がある。

 ADC&HASは2012年はじめ、韓国の2つのパートナーと、ソウルから160km南の清州国際空港の所有権(30年)を255億ウォン (2,260万ドル相当)で取得した。韓国でも前例がなかったもので、軍民両用の空港であり、韓国政府が初めて、民間に空港開発権を持たせたことが、ほか の空港への追い風になると見られている。

 さて、ベトナム事業だがNguyen Vu Michaeal氏は、ベトナム空港総公社との合弁での協力機会を持ちたいという。実際、空港の投資・運営での官民協力は世界各国で行われている。「空港 が常に国の資産であることは理解している。私たちは資金、民間の技術を持ち込むだけで、簡単に言えば商業運営をするのみ。そのため政府が合弁で大半の所有 権を握り、航空管制、出入国、税関、空港のセキュリティは国が行う、共同投資・運営モデルを考えている」と同氏は話した。

■国の資本だけでは難しい――ベトナム航空局Lai Xuan Thanh副局長

 ベトナムの空港システムへの投資は、国の資本を待つだけなら、非常に大きな資金が必要で非常に難しい。2012~2020年に計画では26空港 の改修・向上を221兆ドン(約111億ドル)かけて行うことになっている。資金力、管理運営の経験があり、先進的な技術を持った、ともに投資に参加する 投資家はとても不可欠だ。

 ベトナムの空港はいま、先進的な管理運営、監視方法を非常に必要としている。現在のような発展のスピードで、国際、国内空港の規模は既存のもの より何倍も大きくなる。例えばLong Thanh国際空港は将来的に、クアラルンプールやバンコク、シンガポールと競争する国際・国内空港ハブとなる。Tan Son NhatやNoi Baiの何倍もの利用者を集めるため、従来の管理運営技術を使うことはできない。

(Tuoi Tre)